映画『トラップ』感想 M・ナイト・シャマラン作品

その他映画

この記事にはAmazonアフィリエイトリンクが含まれています。

原題:Trap、2024年公開、1時間45分、製作国:アメリカ

『トラップ』のおすすめポイント

  • シャマランらしさ炸裂!当たりはずれのあるシャマラン作品の中では「当たり」寄り。コンサートとスリラーを融合したちょっとだけ笑えるサスペンス。
  • シャマランの親心ダダ漏れ!シャマラン家長女の歌手がメイン級で出演。
  • テイラー・スイフトのコンサートに『羊たちの沈黙』のレクター博士がいたら?というシャマランのワンアイデアを実現。

『トラップ』のあらすじ

大人気歌手レディ・レイヴンのコンサートに娘を連れてきたクーパー。実は殺人犯ブッチャーである彼は、コンサート会場がなぜか警察に包囲されており、自分こそがそのターゲットであることに気付く。クーパーは娘をごまかしつつ、何とか外に出る方法を見つけようとする……

『トラップ』の感想・考察

  • またしてもシャマランがやりたい放題。クーパーがコンサート会場から逃げようとするワンアイデアでテンポよく進んでいくが、やってることが無茶苦茶で、ヘタな考察など無意味なくらい設定はガバガバでリアリティもない。客席通路の穴は開けっ放し。コケそうな雰囲気がプンプンしているのだが、なぜか最後まで見れるし、まあまあおもしろかったとさえ思ってしまう。
  • ジョシュ・ハートネットがうまかった。主に2000年代に主役として大活躍したジョシュ・ハートネット。今作では父親+殺人犯を魅力的に演じたと思う。オチのインパクトは弱いがジョシュが演じているおかげで許せるし、ミッドクレジットシーンもジョシュという存在あっての構成だと感じる。
  • コンサートもシャマランのこだわり。シャマランの長女サレカ(Saleka)が演じるレディ・レイヴンの尺がやたら長い(笑)。コンサートとスリラーを融合した作品なのでコンサート描写を中途半端にしたくなかったのだろうが、視聴者としてはやはりシャマランの親心を感じてしまう。ちなみに、シャマランはコンサートシーンに力を入れており、CGIを一切使わずエキストラを用意して本当のコンサート映像を撮った。
  • レディ・レイヴンのモデルはテイラー・スイフト?シャマランは「テイラー・スイフトのコンサートに『羊たちの沈黙』のレクター博士がいたら?」というアイデアから本作を作ったと繰り返し述べているが、レディ・レイヴンのスタイルはテイラー・スイフトには明らかに似ていない。パッと見はアリーヤ、音楽はリアーナ、名前はレディー・ガガ?かと思った。アリーヤが思い浮かんだくらいなので、少し古いスタイルに感じた。サレカ自身は、アデル、ロザリア、リアーナを参考にしたと語っている(歌については後述する)。
  • 出た!よくしゃべる従業員。聞かれてないことまで喋りまくるグッズ販売員。『ヴィジット』にもいたな。車掌とか医師とか。こういうところがシャマランらしくて好きなのよ。
  • 当然のごとくシャマランも出演。過去作と同様、今回も出演したシャラマン監督。そう、歌手の叔父役だ。お約束の登場に、シャラマンファンはにっこり。
  • タナカアリーナ?『ミスター・ガラス』では「オオサカタワー」、今作では「タナカアリーナ」と、シャマランは建物に日本にちなんだ名前をなぜか付ける。来日時のインタビューでは、日本が好きであり、黒澤監督などから影響を受けていると語っているが、単にわかりやすそうな名前を付けているのかもしれない。
  • ハニーサックル・サワーコンブチャって何や?ラッパーのキッド・カディ演じるシンカーが要求して強烈なインパクトを残した「ハニーサックル・サワーコンブチャ」(字幕ではハニーサックル・コンブチャ)。検索しても出てこない。ハニーサックル(スイカズラ)+炭酸+コンブチャ(キノコを入れた紅茶。日本の昆布茶とは違う)ということで、AIが考えたハニーサックル・サワーコンブチャの写真。合ってるかは知らん。
AIが考えたハニーサックルサワーコンブチャ
イメージ画像

『トラップ』のトリビア

  • ジョシュ・ハートネットがシャマランに初めて会ったのは2004年の『ヴィレッジ』のプレミアで、夕食を共にしながら映画について熱く語り合ったそう。ジョシュはそれ以降シャマラン作品に出たいと思っており、20年たってやっと実現した。興行的に成功してよかったね。
  • クーパーの娘のライリー役はオーストラリア人のアリエル・ドナヒュー。2010年生まれなので、2023年の撮影時はまだ13歳。今後さらにきれいになるだろうし(インスタ)、今までのシャマラン作品出演者と同様にブレイクしてほしい。アリエルは2022~23年のコメディドラマ『ウルフ・ライク・ミー』にも出演している。
  • レディ・レイヴン役のサレカ(Saleka)は1996年生まれなので、2023年の撮影時は27歳。かわいいけど、お父さんに似てるね。レディ・レイヴンの歌はどれもサレカが作った。以下のSpotifyで無料で聴ける。ピアノで弾き語りした「Release」(5曲目)とキッド・カディ演じるシンカーとの「Divine」(12曲目)が筆者は気に入った。

シャマランのバカバカしさが爆発。興行的に成功したのでシャマランファンとしては安心した。

*無断転載禁止

参考サイト:Entertainment Weekly IndieWire The Guardian ASOS

error: コピーできません